GEEKOMのミニゲーミングPC『MiniMega G1』の性能を見てみよう

ミニPCメーカーであるGEEKOMが、新たにゲーミングミニPCを発表しました。

本記事では、このGEEKOMのミニゲーミングPCの特徴について見ていきます。

最新の標準スペックを搭載したミニゲーミングPC

GEEKOMの新型ミニゲーミングPCは、第13世代のモバイル向けのCore i9 / i7と、デスクトップ向けのNVIDIA RTX 4060を搭載しています1

CPUは i7 / i9 ともに申し分ない性能です。

GPUはゲーミングプラットフォームであるSteamの2024年9月の調査においては使用率2位を誇るGPUです(1位はRTX 3060)。やはりこっちも、ゲーム用として申し分ない性能でしょう。

あえていうならミドルスペック程度で、標準的とも言えます。

ミニPCとしてはかなり大きめ?

一般的なミニPCは、ノートPC向けの小型・省電力パーツを使用していますが、今回発表されたMegaMini G1はデスクトップ向けのパーツで構成されています。

普通のミニPCと比べて性能に対するコストパフォーマンスは高いです。

ミニPCと言うには本体はやや大きめですが、それでも6リットルというコンパクトなサイズに収められています。

サイズ感としてはミニPCというよりはSFF(スモール・フォーム・ファクタ)と呼ばれるジャンルに近いと言えるでしょう2

MegaMini G1は大きめですが、その分良いこともあります。ポートが豊富なのと、冷却に水冷式を実装できていることです。

ポートは豊富で、特にType-A(USB 3.x)が計5個。SDカードリーダーにHDMI2.0が2個と、Type-Cポートも2個あります。

SDカードリーダーもありますし、GPUを搭載しているPCにはかなり珍しくOCuLinkポートも存在します。

残念ながら気になるところも

仕様表を眺めていると気になるところも少しあります。

まず、搭載されているHDMIポートですが、2個あるうち両方とも規格が2.0であるところです。これはフルHDなどの解像度では問題ありませんが、4kモニターに接続する場合は60Hzまでしか出せません。

新しめのゲームをする場合、4060では4k120FPSでプレイできるかは怪しいので必ずしもダメという感じではないです。

古いゲームだったり、2Dだったり、通常のPCとして使う時だったりで120FPS出せる状態も普通にあるので、2.1に対応しといてくれよという気持ちはありますが、そもそも4k120hz出せるモニターも高価なのでミドルスペック帯なら2.0でも十分なのかな、という思いはあります。

ただValorantやApex等のゲームは要求スペックが低めなので、4060でも4k120FPS出せる可能性はかなり高いです。

他にも映像出力の手段は2つあります。Type-Cポートですが、こちらも片方はThunderbolt3で、もう片方はFull Featured Type-Cです。Full Featuredとは普段聞かない規格ですが、平たく言ってThunderbolt3の廉価版のような性能と考えていいです。

いずれにせよ4k120hzに非対応なのは人によって悲しいかな〜と思います。

OCuLinkはeGPUだったりSSDだったりを追加できるポートですが、すでにRTX 4060も搭載しているので需要は薄いような気がします(OCuLinkは元々はといえばSSDを追加できる規格ですが、OCuLinkそのもので接続できるSSDは販売されていませんし……)

レビューしてる動画を軽く見たところ

この動画を見ましたが、いくつかの問題点が報告されていました。

  • ファンがうるさい(常に100%で回ってるとのこと)
  • 本体にある小型ディスプレイに表示される情報が明らかにおかしい
  • 保護シールを剥がしている際に一緒にロゴが剥がれて、鋭利で怪我した
  • 箱に書かれているフォントに明らかに問題がある
  • SSD・メモリの交換をするためには底面のゴム足を外す必要があり、メンテナンス性に難がある

特にファンがうるさいのは他の購入報告でも行われております。おそらくBIOSアップデートで修正されるでしょうが、この問題が明らかな状態で販売している点は非常に不安を掻き立てられます……。

総評

構成自体は無難なゲーミングPCと言った一方、本体はかなり大きめのミニPCといったところ。デスクトップ向けGPUを積んでるのにこのサイズはかなり小さいですが、サイズ『感』だけで言えばミニPCと言えるかはかなり怪しいです。

特にASUSのROG NUC やMiniforum のG7 Pt / G7 Tiなどが出ている現状、これはかなりビッグなミニPCと言わざるを得ません。

また、ファンが全開で回り続けるという問題も多数指摘されており、静かとは程遠い模様。修正されるかはともかく、静かと謳っておきながらこの状態で販売している点には疑問が拭えません3

まぁ騒音に関してはゲーミングミニPC(の高負荷時)はどれもうるさいので、ファンが回り続ける現象が改善されたらかなりマシになるんじゃないかなと思います。

また、小さめなサイズに納めたぶん、同程度のスペックのPCと比べた時にコスパは悪くなりがちです。確かにミニPCは概して「小さいから性能に対するコスパが悪い」です。

「でも小さいから多少高くても仕方ないよね?」というにはちょっと大きすぎるというか……何というか中途半端な感が否めません。

水冷式で、中が見えるケースは美しいですが、現状ではすぐのオススメはしづらいかな、というのが個人的な総評です。

  1. GPUに関する詳細が記載されていなかったのですが、公称値及び複数の動画を見る限りデスクトップ向けで間違いなさそうです。小型にカスタムされたRTX 4060を搭載していると分解した動画では報告されています。
  2. デスクトップPCの中でも省スペース性を目的として構成されたPC。
    SFF・ミニPCともに明確な基準はないです。
    概してSFFはデスクトップPCの中でも小さめなもの、ミニPCはノートPC向けのパーツを使用して構成されたもの、という感じです。
  3. 個人的な想いを述べるなら、おそらく冷却システムにかなりの制作コストを割いていて、採算を取るためにも急いで発売しちゃったんじゃないかな〜と思います