2025年6月、UMPC(ウルトラモバイルPC)メーカーであるGPD社から、新型モデル「GPD MicroPC 2」が発表されました。このモデルは、2019年に発売され、特に専門的な業務で利用するユーザーから支持を集めた初代GPD MicroPCの後継機にあたります。
約6年ぶりに登場したこの後継機がどのような製品なのか、この記事で初代モデルからの変更点を中心に見ていきたいと思います。
GPD MicroPC 2の概要と初代からの変更点
まずは、初代機と比べて見た目や形がどのように変わったのか、その概要から見ていきましょうか。初代機も非常にコンパクトなPCでしたが、MicroPC 2ではユーザーの声を反映したような、堅実なアップデートが加えられている印象です。
物理的な変更点としてまず挙げられるのが、ディスプレイの進化でしょう。画面サイズは初代の6インチから7インチへと大型化され、解像度もHDからフルHDへと向上しました。
これにより、視認性が大きく改善され、より多くの情報を鮮明に表示できるようになったと思います。画面が大きくなったにもかかわらず、重量増が約50gに抑えられている点は、携帯性を重視するUMPCとしては良いポイントです。

さらに、筐体には画面が180度回転する新しいヒンジが採用され、タブレットのようなスタイルでの利用も可能になるなど、使い方の幅も広がっています。
全体として、初代のコンセプトを大事にしながら、より現代的な使いやすさを取り入れた正常進化、という印象を受けますね。
GPD MicroPC 2のスペックと性能
スペックについてに簡単に。
GPD MicroPC 2のCPUにはN250が搭載されています。
初代から続く低消費電力のCPU採用という方向性は変わらず、コストや発熱を抑えることを重視した結果でしょう。現場で長時間、安定して使うことを考えると理にかなった選択かもしれません。

N250は話題のN100系列のCPUなので、性能が足りないということはないでしょう。初代に搭載されていたプロセッサーと比較すると性能は着実に進化しており、現場で使う程度の用途では、必要十分な力を持っていると言えるのではないでしょうか。
全体として非常にバランスの取れた、手堅い性能向上を遂げたモデルという位置づけになりそうです。
現場で活きる堅牢性と専門的なポート類
Micro PC2で最も注目すべきは搭載されている端子(ポート)の種類です。
最近の薄型ノートPCではまず見かけなくなった、RS-232(シリアルポート)や有線LAN(RJ45)といった端子が、MicroPC 2にも引き続き搭載されると見られています。
「その端子、今どき何に使うの?」と思う方も多いでしょう。というか知らん人も多いと思います。
工場の機械を制御したり、企業のネットワーク機器をメンテナンスには今でも現役での規格です。
もちろん、変換アダプタを使えば他のPCでも代用はできます。しかし、せっかくのコンパクトなPCなのに、余計なアダプタ類を持ち運ぶのは、少しスマートではない感じがしますよね。
その点、必要なポートが初めから本体に備わっているというのはその手の作業をする人にとって、携帯性を犠牲にしないUMPCが活きるニッチな需要があるのかな〜と思います。
【まとめ】GPD MicroPC 2の価値
CPUのスペックは、最新ゲームのプレイには向きませんが、業務用という目線では妥当な性能をしています。
このPCの大きな価値となっているのが、唯一無二のポート類でしょう。変換アダプタを介さずに専門的な機器へ直接接続できる利便性は、他の多くのPCにはないユニークな特徴です。
最後に、ディスプレイの進化も重要です。画面が大型化・高解像度化したことに加え、タブレットモードも利用可能になったことで、より多くの場面で快適に使えるようになったと思います。
このように、GPD MicroPC 2は、多くの人が使う一般的なPCとは少し違う、非常に面白い立ち位置の製品です。
ネットワークのメンテナンスや産業機器の制御といった、特定の目的を持っていて、なおかつコンパクトで頑丈なPCを探している方にとっては、「これしかない」と思えるほどの魅力が詰まった一台と言えるのではないでしょうか。
逆に言えば、このような専門的な用途がない一般的なユーザーにとっては、別のUMPCのほうが向いていると言えます。