ゲーマー視点から見たSteam Controller

Steamを運営するValveから新型の”Steam Controller”が発表されました。2026年発売予定です。一応過去にも同名のコントローラーは存在しましたが、特許問題により短い期間で人知れず販売終了しました……。

Steam Controllerは『Steam Deckを据え置きに』という声から、据え置きPCであるSteam Machineとともに発表されました。

大ヒットしたゲーミングUMPCである「Steam Deck」は成功しましたがSteam Deckをドックに接続してテレビやモニターに据え置いて遊ぶときに本体と同じ操作感を持つ「正解」のコントローラーが存在しなかった、というニーズに対する答えです。

Steam Controllerのどこが良いのか?

ジョイスティックが良い!

まず、ジョイスティック。トンネル磁気抵抗効果(TMR)センサーという凄そうなセンサーです。

PS5のコントローラーであるDual Senseや初代SwitchのJoy-Conのような従来型のアナログスティックはドリフト(勝手にスティックが動き回る)問題が深刻です(スティックの摩耗によりカスがセンサーに入り込んでしまうのが原因と言われています)

それを解決した(と言われているのが)昨今のちょっと高いコントローラーに使われている「ホール効果センサー」です。それより良いのがTMRセンサーということですね。

TMRセンサーは磁気センサーによってスティックの位置を検出するので、スティックが動いても摩耗しない→カスもこぼれない→ドリフトが発生しづらい、という理屈です。

また従来のような倒れた角度を物理的に測定するのではなく、磁気センサーで補足するので精度も高いようです。

Valveの発表によると、TMRセンサーによってデフォルトのデッドゾーンを従来より抑えつつ、かつ長寿命を誇るようです。

個人的にはDualsenseを3台購入して、これ以上買うのが嫌だからDualsense Edge(スティックが交換可能)を買った身なので、長寿命スティックはかなりありがたいな〜と思っています。

トラックパッドがすごい!

PS5のコントローラーではお馴染みのトラックパッドですが、Steam Controllerではスティックの下部に並行に配置されています

旧Steam Controllerでは左十字キーと右スティックの位置に配置されていました。これはこれで慣れれば唯一無二みたいな評価でした。まぁ慣れないとかなり使いづらいんですが……

今回のSteam Controllerは「ちゃんと物理的にジョイスティックも欲しい」「トラックパッドもあるならあるでスティックの位置に欲しい」と、今までの不満点を解消したような配置になっています。

左右分離のトラックパッドは例えば左側が今までPS5のトラックパッドで使われたようなメニュー操作、右側がアナログスティックの代わり、のような使い方を想定できます。二つに分かれたので、それこそ二つの使い道を得ることができました。

ジャイロがすごい!

Steam Controllerには6軸のジャイロが搭載されています。まぁ6軸自体は珍しくはないです。Dual SenseもSwitchのプロコンも6軸ですし。

特筆すべきはグリップセンスで、要はコントローラーを握ってないと動作しないよ〜っていうセーフティみたいなものです。

これで何が嬉しいかというと、たとえば机の上に置いたとき・持ち上げた時にジャイロが動作するのを防ぐことができます。

ボタンが多いし、レイアウトも良い

単純にボタンが多いです。特に背面。4つもありますね。

加えて初代Steam Controllerで好評(?)だったタッチパッドもあります。まぁ癖が強いのは間違いなかったですが、その癖さえ飲み込めばマウス並みの操作が可能だったので……。

レイアウトはいわゆるPSレイアウトを採用。スティックが平行に、左右対称に配置されるスタイルですね。

SwitchやXboxだと十字キーが下、左スティックが上という配置です。

一般的・メジャーなのはいわゆるXboxレイアウトですね。PCゲームはWindows、Windowsと言えばXboxコントローラーが主流ですし、レイアウトもそれに倣ったのが多いです。

あとは「左スティックは上にあったほうが良い」という主張が海外では多いのも理由です(日本人だと逆に少数派な気がします。PSが流行ってるからかな?)

個人的にはその意見もわかるのですが、ただやっぱりスティックは下にあってほしいと思っています。理由はいわゆるモンハン持ちのためです。

モンハン持ちとはいわゆる十字キーや ○×□△ / ABXY を人差し指で押す持ち方ですね。親指をスティックから離さずに押すことが可能で、あらゆるゲームで応用が可能です。

ただこれは経験上、握り方がまた普通と異なるので、Steam Controllerのような握り込む形の背面ボタンが非常に使いづらくなります(余談ですが、Dualsense Edgeの背面ボタンはモンハン持ちでも非常に押しやすいです)

まぁここら辺はモンハン持ちと二者択一かな〜と思います。ゲームによって使い分けるといい感じですね。スト6なんかではモンハン持ちは必要ないですし、逆に背面ボタンが欲しくなります。

ただ、モンハン持ちか背面ボタンか、使い分けできるというだけでもかなりプラスポイントです。日本人的にはPSレイアウトの方が好きって人多そうですし。

接続方法は3方式

接続方法はBluetooth、USB-C、Steam Controller Puckと呼ばれる専用ドングル(2.4GHzワイヤレス)の3つです。

2.4Ghzワイヤレスでの接続は5メートルの距離で8ミリ秒の通信速度。人間が遅延を感じることのできない速度ですね。

本当にこだわるならUSB-C接続もありますが、正直Bluetoothでも十分だと思います。

正直機能は盛りすぎだが……?

はっきり言って盛りすぎです。長年ゲームをやってますが、全てを使いこなせるとは思えません。

ただ、じゃあ要らない機能があるか?と聞かれると全然そんなことはないです。

例えば私はジャイロ操作を現在使っていませんが、将来的に使う可能性もあります(それは今のジャイロ操作が使いづらいという点もあり、グリップセンスのようなセーフティがあるなら挑戦してみるのも手かも?と思っています)

背面ボタンもかなり多めですが(一般的には左右1個ずつの計2個が多いです)、昨今のゲームはキーボードに対してコントローラーのボタンが足りなさすぎる!というのが起きがちなので、単純にボタン数が多いというのは特に自由にレイアウト割り当てができるSteamでは嬉しい点です。

また、タッチパッドもスティック下部にそれぞれ配置されています。スティックでエイムを定めるのではなく、それこそマウスカーソルを動かすのに使えるなら、FPSなどではかなりマウス&キーボードに肉薄する戦いができるんじゃないかな〜と思います。

総じて言えば一個のゲームで全ての機能を使うことは難しいが、どんなゲームにも対応できる最強のポテンシャルを持っていると言えます。

ちなみに私はDualsense Edgeを現状最強だと思っています。レイアウトも、ボタンも、単純なコントローラーとしての性能としても。

ただどうしてもSteamで使うと互換性の問題が発生します。「なんでPS5でも出てるゲームなのにボタン表記が対応してないねん……!」みたいな。

Steam Controllerは当たり前ですがSteamゲーム用のコントローラーなので、その互換性の問題も発生しません。そしてなおかつPSレイアウト!

あとPS4以降のコントローラーってイヤホンが付いてて繋ぐとスピーカーが乗っ取られたりするから、その点も微妙に使いづらい……。それはPS5においては最強の使い心地なんですけどね。

総じて言えば、Steam ControllerはPCにおける最強のコントローラーと言って差し支えないでしょう。というかトラックパッドを装備したPC用コントローラーってほんとないので……。

ちなみに私は買う予定です。

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