コスパが良い世代?Wildcat Lakeを詳しくみてみる

Wildcat Lakeは、Intelが2026年に投入したノートパソコン向けCPU、Intel Core Series 3です。

シリーズにはCore 3、Core 5、Core 7が用意されています。Core i / Ultra シリーズと同じですね

この記事では、Wildcat Lakeの主な特徴と各モデルの性能差をわかりやすく比較していきつつ、従来のCore i / Ultraとの違いも見ていきます。

Wildcat Lakeの性能と主な特徴

Wildcat Lakeは、N100シリーズに次ぐ、低価格帯のノートPCのためのCPUとなります。

型番ごとの違いを含めず大雑把に見ていくと、以下のようになります。

CPU構成 Pコア2 / Eコア4
※ Core 3 304 のみPコア1
使用電力 15W〜35W
内蔵GPU Intel Graphics
NPU 最大17 TOPS
メモリ DDR5 / LPDDR5X 最大 64GB
Thunderbolt Thunderbolt 4対応

Pコア・EコアはIntelの区別で、おおよそPコアが性能が高く、Eコアが性能が低いと考えてください(Eコアは省電力を重視したチップです)

N100系列は基本的にEコアのみの構成でしたが、Wildcat LakeではPコアを搭載しています。

内蔵GPUは、すべて「Intel Graphics」という名称ですが、Core 3とCore 5以上では内部の規模が異なります。

CPU Xeコア数 最大クロック AI性能
Core 3 304 1基 2.3GHz 9 TOPS
Core 5 315 2基 2.3GHz 18 TOPS
Core 5 320/330 2基 2.5GHz 20 TOPS
Core 7 350/360 2基 2.6GHz 21 TOPS

どのみちあんまり高性能ではないので、あんまり気にする必要はないかな〜と思います。

また、Wildcat LakeではAI処理を行うNPUが搭載されています。

CPU NPU
Core 3 15 TOPS
Core 5 15〜16 TOPS
Core 7 17 TOPS

ここはシリーズごとにTOPSが違う、という感じですね。

Core 3からCore 7までの差は2 TOPSしかなく、NPU性能を理由にCore 7を選ぶ必要性は高くありません。

また、MicrosoftがCopilot+ PCに求めるNPU性能は40 TOPS以上です。Wildcat LakeのNPU単体ではこの基準に届きません。

NPUは、Webカメラの背景削除やマイクのノイズ低減などしか現状、実用的なものがないのですが……しかし低性能とはいえNPUが搭載されているのは嬉しいですね。

ちなみに、Core 3 305のみNPUを搭載していません。注意が必要といえば必要なんですが、305はPC向けではなく組み込み機器向けなので、一般的なPCには搭載されないのでまぁ忘れててもいいです。

仕様から見る違い

実はWildcat Lakeは多いようで、そんなに多くないです。

  • Intel Core 3 304 / 305
  • Intel Core 5 315 / 320 / 330
  • Intel Core 7 350 / 360

とあるのですが、前述の通り Core 3 305は一旦無視していいです。通常のPC向けではないので。

で、Core 5 320 / 330と、Core 7 350 / 360 はそれぞれ中身は同一の仕様です。何が違うかというと、IntelのSIPPがあるかないかで、数字が大きい方にSIPPに対応しています。

SIPPとは……大雑把にいうとドライバーの長期保証みたいなものです。人によってはLTSCとかLTSBというとわかりやすいかもしれません。個人の消費者には関係ないので忘れていいです。

なので実質的には

  • Intel Core 3 304
  • Intel Core 5 315 / 320 (330)
  • Intel Core 7 350 (360)

という感じ。

他はCore 3 304 だけCPUのPコアと、GPUのXeコアがそれぞれ1個しかない(他は2個)。あとは内部のクロック数が違うだけと考えて良いです。

CPU CPU
最大クロック
GPU
最大クロック
NPU
Core 3 304 4.3GHz 2.3GHz 15 TOPS
Core 5 315 4.4GHz 2.3GHz 15 TOPS
Core 5 320 4.6GHz 2.5GHz 16 TOPS
Core 7 350 4.8GHz 2.6GHz 17 TOPS

具体的にはこんな感じ。Core 3 304と315の違いが少ないように感じますが、前述の通りPコアとGPUコアが少ないので結構差があります。

ベンチマークで見る違い

Wildcat Lakeには、PC向けとして主に6モデルがありますが、上記の通り、320と330、350と360はほぼ同一なのでそれぞれ数字が高い方は省きます。

CPU PassMark CPU Mark
Core 3 304 11,543
Core 5 315 15,180
Core 5 320 15,798
Core 7 350 16,501

※ 発売された直後(2026/6/22時点)なのでサンプル数は少なく、今後変動する可能性は高いです。

明確にCore 3 304だけ低いですね。は、Wildcat Lakeのなかで唯一、Pコアを1基しか搭載していないのが響いています。Core 5 315より約24%低くなっています。

あとは順当に、段々になっていますね。

Core i / Ultraとの比較

Wildcat Lakeの性能を分かりやすくするため、PassMarkスコアが比較的近い従来のCoreシリーズと比べてみます。

CPU PassMarkスコア
Intel N100 5,325
Core i3-1215U 10,156
Core 3 304⁠🟡 11,543
Core i7-1255U 12,894
Core i5-1335U 13,902
Core 5 315⁠ ⁠🟡 15,180
Core 7 350⁠ ⁠🟡 16,501
Core Ultra 7 155U 16,188

おお、最上位ならCore Ultra Series1にも迫る勢いですね。ただこいつらは末尾に『U』とついてる通り、省電力版です。Hのような同じノート向けと比較すると大きく負けてしまう1ので、あくまでも省電力CPUの中ならコスパも含めて大きく前進した世代という感じでしょうか。

ベンチマークに載らないところですが、廉価帯でもついにNPUが搭載されたのは大きいですね。また、上述のUltra 7 155UのNPUは11TOPSなので、その点でも進化しています。

まとめ

Wildcat Lakeは、低価格帯向けのCPUとしてまとまって出てきた新シリーズです。

モデルごとの差はそこまで大きくありません。

  • Core 3 304はPコアとGPUのXeコアが1基ずつなので、明確に性能が低い
  • Core 5 315からCore 3 304より大きく性能が上がる
  • それぞれの違いはクロック数くらい

という感じです。

Core 5 315くらいが一番バランスが良さそうです。

といってもCore 3 304もN100よりは大幅に高性能になっているので、価格次第では選択肢のうちでしょう。

Core Ultraと比べるとAI性能は劣るものの、それでもNPUを搭載しているのは大きなステップです。

15〜35Wの省電力CPUとして見れば、かなり高いCPU性能と言えるでしょう。廉価帯でもNPUが搭載され、Thunderbolt 4やDDR5にも対応しているので、普段使いのノートPC向けCPUとしては十分に魅力があります。

あとは実際にどのくらいの価格で搭載PCが出てくるかですね。Core 5搭載機が安く出てくるなら、Wildcat Lakeはかなりコスパの良い選択肢になりそうです。

  1. 例えばCore i7-12650Hなら21,424、Core Ultra 7 155Hなら24,556と大きく差が出る