最近、ミニPC界隈でよく耳にするようになった「OCuLink」という言葉。これは何なのか、疑問を持っている人もいるでしょう。
OCuLinkは特にGPUと一緒に挙げられる技術です。OCuLinkとは何か、簡単に解説します。
OCuLinkとは?
OCuLinkとは「M.2を外付けにするケーブル」と言えばわかる人にはわかるかもしれません。
詳しくなくとも、M.2という言葉は聞き馴染みがあるかもしれません。
よく「ストレージ: M.2 SSD 1TB」などという表記がありますが、それです。基本的にはSSDを挿し込む端子として使われています。
それを外付けにして使おうぜ、という思想のもと生まれました。
PCIe規格で接続できるので、USBなどよりも高速・大容量の接続が可能です。
ちなみにOCuとはOptical Cupper
Thunderboltとの違いは?
Type-CのThunderbolt規格と競合していると感じた人もいるかもしれません。高速・大容量な点は一緒です。
Thunderboltと比べるのは、ある意味で映像規格のDisplay-PortとHDMIに似てるような気がします。
Thunderboltは USBの上位互換のような規格です。
一方、OCuLinkはPCIeを使った規格です。
PCIeは通常 SSDなどを接続するために使われます。
USBは最大の特徴として「プラグアンドプレイ」を持ちます。
これは電源を投入していても、自由に機器を抜き差しして使用することが可能な機能です。
今でこそ当たり前な機能です。想像して欲しいのですが、通常、パソコンのメモリ(RAM)や内部ストレージを増設する際は電源を落として行うものです。
OCuLinkは本来SSDと接続する端子を用い、基盤と直接接続するため、プラグアンドプレイできません。つまり、抜き差しするのに電源を落とす必要があります。
なんでそんな不便な規格が注目されているかというと、単純な転送速度を見た際にはThunderboltより伝送速度が速く、かつ応答速度も速いためです。
そしてType-Cと違いライセンス料がかからないため、安価に搭載することができます。
抜けを防止する爪があることから、もともとはサーバー用途での使用が注目されていましたが、最近になってGP目的での利用が注目を集めています。
GPUとの関連は?
なぜそれがGPU関連で注目を集めているといえば、理由は先ほどの説明にあります。
- 応答速度が速い→ThunderboltよりeGPUの性能を活かせる
- ライセンス料が必要ない→安価に搭載できる
- 爪がある→抜けづらい
- プラグアンドプレイじゃない→より内蔵に近いケーブルのため、内蔵GPUに近い性能が期待できる
上記の特徴がeGPUにマッチしていたので、最近の注目につながります。
eGPUとは外付けGPUのことで、外付けSSDのように後からPCにつけるGPUのことです。主な接続方法はThunderbolt3/4(Type-Cを利用する規格)でしたが、最近はOCuLinkが注目を浴びています。
OCuLinkを使うと、プラグアンドプレイという利点はないものの、よりeGPUの性能を引き出すことができます。
Thunderboltは汎用的な規格なので間にどうしても応答速度的なボトルネックが発生してしまいます。
OCuLinkは汎用性は低いですが、内蔵に近いので反応速度も速いのです。
eGPUを使う際の性能劣化がThunderboltは15〜30%と言われていますが、OCuLinkは10〜15%と言われています。
プラグアンドプレイじゃないという点も、そもそもeGPUは持ち運ばない(別途電源が必要)ためあまり気になることはないでしょう。
というわけで、eGPUに関して言えばOCuLinkは最適だったわけです。
まとめ
- OCuLinkはM.2の外付け版と考えればいい
- Thunderboltと比べて速いし安価なのでeGPUに向いている
- ただしプラグとしての汎用性が低いので上位互換でもなければ競合するものでもない
eGPUに関して言えばOCuLinkの方が優秀ですが、なぜ最近まで注目されなかったかといえば単純にeGPUもOCuLinkも盛り上がっていなない、下火の市場だったからです。
UMPC(Switchのような携帯できるPC)が出てきて、それらを強化するアイテムとしてeGPUが出てきて、じゃあOCuLinkもいいよね……という流れです。
現状ではOCuLink対応PCもGPUも少ないですが、将来的にはまずミニPCを買って、必要ならeGPUも買い足す……という買い方も珍しくなくなるかもしれません。

