AIの時代が本格的に始まりました。WindowsにCopilotが搭載されてしばらく経ちましたが、Copilot+というものが始まってもそちらの話題は薄いです。
本記事では、現状のCopilot+とNPUについてまとめたものになります。
そもそも普通の『Copilot』でできることは?
そもそもCopilotは、Bing AIとして生まれ、それがWindowsに組み込まれたものです。
基本的にはChatGPTやGeminiのようなWebで利用する生成AIと同じですが、Windowsに組み込まれている点が特徴です。
サブスクしない場合は本当にその程度ですが、サブスクするとMicrosoft Officeと連携が可能です(これは
まぁ、それ以外だと大きくChatGPTやGeminiと違いはありませんね。
『Copilot+』でできることは?
Copilot+は、『Copilot+ PC』に認証されたPCで利用可能なサービスです。
40TOPS以上のNPUを搭載したりとか諸々の要件をこなした上でMicrosoftから「Copilot+ PC」認証を受けることで解禁され、クラウドに頼らずPC単体でAI処理を行えるのが特徴です。
Copilot+の機能は?
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| Cocreator | ペイントでテキストから画像を作れる(いわゆる画像生成) |
| Photos Restyle | フォトで写真を生成・スタイル変換できる |
| Photos Super Resolution | フォトでの写真の超解像 |
| Live Captions+翻訳 | 動画に字幕をつけれたりその字幕を翻訳できたり |
| Automatic Super Resolution (Auto SR) | ゲームをAI補正で高画質化(超解像)(ARM系Copilot+ のみ = Snapdragonのみ) |
| Recall | PC内の過去の操作を検索できる |
いずれも処理にはNPUを使って処理をされます。
また、NPUを使ってローカルで処理をすると言っても、Cocreaterのような画像生成系はMicrosoftのサーバーを経由する必要があり、たとえばエッチな画像を作り放題、というわけにはいかないようです(それ以外なら基本的にオフラインで動作する)。
また『Copilot+』という名称ですが通常のCopilotとは機能が完全に分離しているので、オフラインでCopilotのAIチャットを利用できるわけでなければ、サブスクに加入せずともCopilotチャットが利用し放題…というわけでもない点には注意が必要です。
つまり『Copilot』と『Copilot+』は「提供元が一緒でWindowsに組み込まれている」という共通伝があるだけで、それ以外は全く異なるサービスと考えた方が理解としては無難です。
Copilot+の要件は?
Copilot+として認定を受けるには以下の条件が必要です。
| 条件 | 内容 |
| NPU性能 | 40TOPS以上 |
| ハード要件 | RAM 16GB以上 DDR5 / SSD 256GB 以上 |
NPUって何だよ?!
『NPU』が聞きなれない人もいるかもしれません。NPUはNeural Processor Unit の略で、AIに特化した処理を行うユニットです。
これはCPUやGPUとは違い単独で存在しているものではなく、CPUに統合された形で存在します。Intelなら Core Ultra 、AMDならRyzen AI+ シリーズなどのCPUに内蔵されています。

「ローカルでAIに必要なのはRTXのようなGPUじゃないの?」と思う人もいるでしょう。
それはその通りで、単純な演算処理ではGPUの方が圧倒的に速いです。
「じゃあGPUとの違いは?NPUをわざわざ積む必要ってあるの?」という疑問もあるでしょう。基本的にNPUはCPUに付帯させたAI処理専用チップで、GPUより性能は劣るが消費電力は少ないところに価値があります。
ざっくり言えば「ノートPCのバッテリーでも十分に動かしうる」ためのチップ、というところです。
要件さえ満たしていれば使えるの?
上記のCopilot+要件ですが、ではそれらを満たしていれば下記の『Copilot+』の機能を使えるのでしょうか?
答えは「NO」です。40TOPS級のNPUを持っていても、Microsoftの認定があって初めてCopilot+になるので、要件を満たしていてもCopilot+認証がなければ上記機能は使えません。
なので(これはNPUの有無に依らない話ですが)「Copilot対応PC」と銘打っているPCは通常のCopilotが使えるというだけで、Copilot+の機能が使えるわけではない、という点に注意してください。
認証を受けていないPCは、そのうち認証される?
(主にミニPC界隈では)Copilot+の要件を満たしていても認証はされていない、というものは結構あります(というかCopilot+認証を受けているミニPCの方が圧倒的に少ない。ASUSのNUCくらいかな?)
では後から認証されたパターンはあるのでしょうか?あります。
HP Omnibookなんかは要件を満たしていて、初期は認証を受けていないものの、後から認証されています。
ここら辺はそもそも発売段階から「後から認証されるよ〜」とアナウンスされていたので、何かしらの調整があったんだと思われます。待っていれば勝手に使えるようになるわけではなく、企業努力が必要そうではあるので、ミニPC界隈のような新興メーカーだとゆっくり待つ必要があるのかな〜と思います。
Copilot+以外でのNPUの活用は?
一応、NPU対応してるよ〜と言ってるアプリケーションはいくつかあります。
代表的なところでは動画編集用途では『Davinci Resolve』や『CapCut』そして『Premiere Pro』ではいくつかの機能にNPU処理を対応させていたりします。
逆に、それ以外ではパッとしたところはありません。ないわけではないのですが……。

まとめと私見
Copilot+は「認定PC」でなければ使えず、NPUを積んでいるだけでは解禁されない点が大きな壁です。
画像生成や翻訳、Recallといった機能は魅力的なところはありますが、まだ発展途上で実用性にばらつきがあるのが現状です。Recallは標準で欲しいなと思わなくもないですが、現状でNPU付きの高いPCを買ってまで使いたい機能か?と言われると微妙です。
NPUそのものも現状では活用の幅が限られています。そもそもNPUは「低消費電力で動くAIチップ」という触れ込みですが、現在の(みんなが想像するような)AIはGPUパワーのゴリ押しで動いています。
Stable Diffusionのような生成AIや大規模LLMはGPUでしか実用的な速度を出せず、NPUでできる処理は限られています。
せめてNPUに力を入れているCopilot+の機能が拡充されれば……。Cocreator(画像生成)くらいしか魅力はないんじゃないでしょうか?
(というか『Copilot+』という名前なんだから、通常の『Copilot』ができることは課金せずとも課金と同等に無制限に利用できます!くらいのことはしてほしい)
ASR(ゲーム用超解像)もNPUで処理することによってGPUに余力を持たせることができてすごいとは思いますが、なんでこれARMのみ対応なんだ???という感じもしますし……。
『AMDは次世代RyzenにはNPUを積まない』という噂もあり、『GPU性能でCopilot+に対応できるようにすべきでは?』という声もあります。それはほんとそう。NPUでできるならGPUでもできるので。
結局のところ「やりたいことはわかるがソフトウェアが追いついていない」のが今のCopilot+とNPUです。浪漫はありますが、一般消費者の手には余るというのが現状だと思います。


