Framework社からデスクトップPCが発表されたぞ!特徴を見てみよう

ノートPCで知られるFramework社がFramework Desktopを発表しました。

小型の 4.5リットル ケースに収まる Mini-ITXフォームファクタ のメインボードを採用し、強力なAMD製プロセッサと統合GPUによって高い性能を実現しています​。

そもそもFramework社って?

Framework Computer Inc.は2020年にアメリカで設立されました。

理念は「修理する権利」で、自社の製品が容易に分解・修理・アップグレード可能であることを重視しています。

​Framework Laptopはカスタマイズが可能なノートPCで有名ですね。

概要と特徴

Framework Desktopはカスタマイズ可能なデスクトップPC……ですが、デスクトップPCは基本的にカスタマイズ可能です。

カスタマイズ可能なデスクトップPCと書くとかなり混乱の元だと思いますが、どちらかといえばカスタマイズ可能なSFF PCと考えた方がわかりやすいです。

(SFFはスモール・フォーム・ファクタの略です。「ミニPC」というカテゴリーができる前の、小さいPCの代名詞でした)

マザーボードはMini-ITX規格ですが、CPUやメモリなどは交換不可で、以下の3パターンから選択します。

CPU iGPU メモリ(とVRAM)
Ryzen AI Max 385 Radeon 8050S 32GB(24GB)
Ryzen AI Max 395 Radeon 8060S 64GB(48GB)
Ryzen AI Max 395 Radeon 8060S 128GB

GPUは内蔵GPU固定で、CPUともども付け替えや増設は不可です。Thunderbolt4を搭載しているのでeGPUをつけようと思えばつけれなくはないです。

ちなみにそれぞれどの程度かというと、8050SがRTX 3060(6GB)やRTX 3070(Laptop)に勝り、8060Sはそれよりちょっと上の RTX 2070やRTX 3070(Laptop)に勝り、RTX 3080(Laptop)やRTX 3060(12GB)にギリ負ける程度です(Passmarkスコア)

Passmarkより
Passmarkより

メモリはオンボード実装(はんだ付け)なので交換不可です。これは帯域幅を確保するためとされています。

実際のところ、GPU・メモリは交換不能ですが、裏を返せばCPUと共有の大容量メモリかつ256GB/sという爆速の帯域によってVRAMとしては破格です。

Apple Silicon以降のMacのように、かなり大規模なAI推論に向いていると言えるでしょう。AI推論や開発用途に対しては破格な価格と言えます。

しかし逆に言うと、AIに興味がないなら少し持て余し気味のスペックかな〜と思います。

GPUは内蔵グラフィックと言えどかなり性能が高いので、ゲームしたい人にも悪くはない選択肢とも言えます。公式においてはモンスターハンターワイルズが1440Pで 67FPS / 85FPSで動作すると記載しれています。

Framework Desktop 公式サイトより
Framework Desktop 公式サイトより

ポートやカスタマイズ性は?

背面のポートは以下の通り

  • HDMI 2.1 (×1)
  • DisplayPort 2.1 (×1)
  • USB4 Type-C (×2)
  • USB 3.2 Gen1 (×2)
  • 3.5mmオーディオジャック

フロントにはFramework Laptopでも使われる拡張カードが2個装着可能です。こちらはUSB 3.2 Gen2相当。

カードはUSB-C、USB-A、Micro SD / SDカードスロット、追加ストレージなどがあります。

それ以外はM.2ストレージが2枠、CPUファンが交換可能……というか自分で購入しなければなりません(公式通販の場合はセットとしてその場で追加購入可能です)。OSも自費です。

基本的にはマザーボード・ケース・電源のみがついており、あとは追加購入という感じだと考えればいいかな〜と思います。

誰向け?

単純なPCとしてみると、Framework Laptopほど魅力的なカスタマイズができるわけでもなければ、一般的なデスクトップよりは制約の多いデスクトップPCですね。

小さいサイズは魅力的で、上記左下のデスク上のPCを見れば確かに小さなデスクトップPCだな〜という感じです。

流行りのミニPCほど小さくもないですが、Framework社なので「ミニPCが欲しいけど新興の中国メーカーは心配……」という人には選択肢になりうるかなと思います。

ミニPCでもゲーミングを名乗れる性能があるものはありますが、このPCも十分その性能があるとも言えるでしょう。

まぁでも「Framework Desktopは全てDIYキットとして販売される」と公式が言っている通り、組み立てやOSセットアップなどは自分でやる必要があります。そういう意味ではPC初心者には全く向かない感じですね。

価格に対する評価では意外とコスパは悪くないかな、と思います。

128GBメモリの最上位構成が$1,999ですが、同じ128GBメモリを積んだメーカー製のワークステーションでは倍近い価格になる傾向があります。

爆速大容量メモリと高性能iGPUという独自路線で見ると直接的な競合製品は少ないです。

近い製品としては Apple の Mac Studio / Mac miniが挙げられます。

MacはOSが違ったり、ARMだったりと直接比べられるものではないですが、64GBから128GBへのメモリ増量に約800ドル掛かるのに対し、Framework Desktopでは同容量増強が400ドルで済みます。その点で見ると「スペックに対して手頃」と言ってもいいでしょう。

そこらへんのVRAMに対するコスパや、単純なミニPCとしてみた時のコスパ・信頼性に魅力を感じる人はいい選択肢になりうるかなと思います。

まぁそんな大規模なAI学習とか関わってないよ…という一般人なら中間の64GB程度がバランス良いかなと思います。