GPD BOXはGPDから発表された、同社初のミニPCです。
GPDといえば、これまではUMPCや携帯型ゲーミングPCの印象が強いメーカーでした。そこに初のミニPCが出てきたというだけでも少し話題になりますが、さらにPanther Lake世代のCore Ultraと、MCIO 8iによる外部GPU接続を特徴とした製品となります。
GPD BOX Mini PC
GPD BOX 仕様

- CPU:Intel Core Ultra X7 358H / Intel Core Ultra 7 356H
- AI性能:最大180 TOPS / 最大100 TOPS
- GPU:Intel Arc B390 GPU / Intel Graphics
- メモリ:32GB / 64GB LPDDR5X-8533(換装不可)
- ストレージ:最大4TB PCIe 4.0 NVMe SSD(M.2 SSD)
- ポート(前面):
3.5mmヘッドセットジャック
USB 3.2 Gen2 Type-A ×2
USB4 v2.0 Type-C ×2 - ポート(背面):
USB 3.2 Gen2 Type-A ×2
HDMI 2.1 ×1
DisplayPort 2.1 ×1
2.5GbE LAN ×2
MCIO 8i ×1
電源コネクタ - 無線:Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3
- サイズ:約175 × 134 × 39.5mm、約940g
- TDP:15W〜80W
CPUはCore Ultra X7 358HまたはCore Ultra 7 356Hを搭載。PassMarkスコアはそれぞれ33,705 / 33,657です。CPU性能だけでは大きく差がありませんね。
内蔵GPUには大きく差が出ます。Core Ultra X7 358H側のIntel Arc B390 GPUは、PassMarkスコアで9,002です。これはGeForce GTX 1650の7,869を上回り、GeForce RTX 2060の14,094には届かない程度。エントリークラス程度の性能がありますね
(一方で、Core Ultra 7 356HはIntel Graphics表記なのでそれほどの性能は見込めないでしょう…)
AI性能はCore Ultra X7 358Hが最大180 TOPS、Core Ultra 7 356Hが最大100 TOPSとされています(NPUとその他を合算)。どちらのCPUにせよCopilot+ PCの要件は満たしているものの、公式にはCopilot+の表記がないのでそこの対応は怪しいでしょう。
ポートにはUSB4 v2.0 Type-Cが2つあります。映像出力はHDMI 2.1とDisplayPort 2.1を備え、LANも2.5GbEが2つあります。ミニPCとして単体で使うだけでなく、高速な周辺機器や外部GPUと組み合わせるための構成になっています。
外付けGPU「GPD G2 」とMCIO 8i
GPD BOXで注目したいのは、MCIO 8iによる外部GPU接続です。
これまでミニPCで外部GPUを使う場合、USB4やThunderbolt、OCuLinkが使われることが多くありました。
GPD BOXではMCIO 8iを採用し、同時に発売されるGPD G2と組み合わせてデスクトップ向けGPUを外付けできるようになっています。
GPD G2
GPD G2はNVIDIAのRTX50シリーズと、AMD RX 9000シリーズを搭載可能です(GPUそのものは別途購入の必要有り)
GBD G2はUSB4 V2.0(120Gb/s)か、あるいは MCIO 8i(128GB/s) を利用可能です。前者が120G”Bit”/sで、後者が128G”Byte”/sなので単純に8倍ほどの速度差がありますね。
- 疑問. MCIO 8iって何?
- 答え1. PCIe 4.0に繋ぐのがOCuLinkなら、PCIe 5.0に繋ぐのがMCIO 8i
- 答え2. ものすごく大雑把に言ってしまえば、OCuLinkの次世代がMCIO 8i
PCIeとはPCの基盤に直結する端子ですね。そこからPC外部に伸ばして、外部機器を簡単に接続できるようにしたのがOCuLinkという端子になります。
(ちなみにThunderboltとOCulinkの違いは、ThunderboltはUSB規格なので基盤に直結していないのでちょっと遅く、代わりにホットプラグ(PC起動中に抜き差しできる)に対応しています)
一応、PCIeは普通のGPU……つまりRTX 5060などを接続する規格そのものでもあります(ただし太さというか帯域が違うので、同じPCIeだとしてもGPUの性能を全て引き出せるわけではないのですが。ちょうどUSB-A 3.2とUSB-A 2.0 は同じ端子を使うと言っても、性能が違うように。それほどの極端な差はありませんが)
(ちなみにGPD G2のページでは一部、MCIO 8iはPCIe 4.0 x8として記載されていますが、おそらく表記ブレの誤りかな〜と思います……)
MCIO 8iはGPDの独自規格というわけではないのですが、しかしこれが商品として出てくるのは私の観測範囲では初めてです。
なので普及している端子というよりは、これから普及する端子、という感じになるでしょう。いずれにせよOCuLinkよりも高速な端子なので、OCuLinkも徐々に遅れた端子になってくると思われます。
まとめ
このPCは、Panther Lake世代のCore UltraとMCIO 8iを特徴とした、外部GPUを組み合わせやすいミニPCです。
GPD G2と組み合わせる前提なら、かなり面白い製品です。普段はミニPCとしての小型さに加えて、外付けのデスクトップ向けGPUを接続することで余裕を持ったゲーミングが可能になります。
特にMCIO 8iはUSB4接続のeGPUよりも帯域に余裕があります。RTX 50シリーズやRadeon RX 9000シリーズを外付けで使う構成を考えると、GPD BOXは単体で完結するPCというより、GPD G2と合わせて完成するPCと見たほうがよさそうです。
逆に、内蔵GPUだけで重いゲームをしたい人や、外付けGPUを使う予定がない人は、他のものを検討してもいいかもしれません。
販売価格は現時点で未発表です。GPD G2と組み合わせる場合は、GPD BOX本体、GPD G2、GPU本体の3つが必要になります。そのため、本体価格だけで判断するというより、ドックとGPUを含めた総額で考えるべきでしょう。

