Intel Arc Gはどの程度の性能を持っているのか?推定してみる

Intelの次世代ハンドヘルド向けGPUとして登場予定の「Intel Arc G」。

まだ実機レビューやベンチマークが十分に出揃っているわけではありませんが、Intelの公称値や一部メディアのハンズオンを見る限り、かなり面白そうな性能になっていそうです。

気になるのは実際にはどの程度のGPUに近いのか。

というわけで今回は、Intelの公称値と既存GPUの3DMark Time Spyスコアをもとに、Arc Gがどの程度の性能を持っていそうなのかをざっくり見ていきます。

Intel の公称から調べてみる

実際のところ、まだ発売されておらず各種ベンチマークも揃っていないので、まずは公称から見てみることにします。

まず、Intelの公称ではCore Ultra 7 258V / Arc 140V(30W動作時) と比べてArc G(35W動作時)は44%高速であるとしています。

44% better gaming performance gen-over-gen, comparing an Intel® Arc™ G3 Extreme vs. Intel® Core™ Ultra 7 258V

【訳】世代間比較で、Intel® Arc™ G3 Extreme は Intel® Core™ Ultra 7 258V と比べて、ゲーム性能が 44% 向上しています。

このゲーム性能が44%向上というのが、実質的にGPUのことだとします。

普段このブログではPassmarkがわかりやすいので使っていますが、単純にPassmarkで計算するとややこしいことになるので今回は3DmarkのTimeSpyを使用します。

3Dmarkは大雑把に言ってCPU15%、GPU85%の割合でスコアを算出するので、おおよそゲーム性能がわかりやすいです。今回は

TimeSpyでのCore Ultra 7 258V / Arc 140Vの組み合わせでの最高総合スコアは4796、最高スコアのGPUスコア14450です。(2026/06/13現在)

今回は最高スコアをベースに比較していきます2

このスコアに近いところで言うと……

  • RTX 2050(Laptop)搭載ベンチマークの最高総合スコアが5025、GPUスコアが4455
  • GTX 1650 搭載ベンチマークの最高騒動スコアが5050、GPUスコアが4602

となります。

上 GTX 1650 / 下 RTX 2050(Notebook)の、それぞれの最高スコア
上 GTX 1650 / 下 RTX 2050(Notebook)の、それぞれの最高スコア
CPU / GPU 構成 最高総合スコア 最高GPUスコア
Core Ultra 7 258V
Arc 140V
4,796 4,450
RTX 2050 (Laptop) 5,025 4,455
GTX 1650 5,050 4,602

それでは、単純に公称である1.44倍にしてみます。

1.44倍にすると、総合スコアは4796×1.44 = 6906 、GPUスコアは4450×1.44 = 6408になります。

これが正しいとすると、似たようなスコアを出し、わかりやすいGPUは以下になります。

CPU / GPU 構成 最高総合スコア 最高GPUスコア
Arc G
(推定)
6,906 6,408
RTX 3050
(Laptop)
6,501 6,062
GTX 1660 7,091 6,512
RTX 3050 8,193 7,347

簡単にスコアを1.44倍した推定では、RTX 3050(Laptop)より上で、GTX 1660にやや劣る、と言う感じでしょうか。

残念ながらデスクトップのRTX 3050には及びませんが、いよいよ統合GPUがdGPUに追いついてきています。

何よりこの性能がハンドヘルド機……いわゆるUMPCに搭載できるのは驚異的です。

実測では?

Windows Centralの上記記事ではAcer Predator Atlas 8 / MSI Claw 8 EX AI+を使ったハンズオンがあります。以下は意訳した引用です。

レゴ バットマン: レガシー・オブ・ザ・ダークナイト と ホグワーツレガシーをデモとして遊ぶことができました。

LEGO のゲームは軽いゲームかと思われるかもしれませんが、推奨要件が NVIDIA RTX 2070 SUPER/AMD RX 6650 XT/Intel Arc B580 であることを考えると、決して軽いゲームではありません。

私の Steam Deck では、ほとんどのエリアで 30 FPS すら維持するのに苦労します。

しかしこれらのUMPCにおいてはゲームは完璧に動作し、どちらにおいても 100〜120 FPS をしっかり維持していました。

わお。すごいですね。

推奨要件よりは推定スペックは下のはずですが、120FPSを出せるのはおそらくレンダリング解像度がフルHDじゃないのかな〜と思います。

最近はレンダリング解像度を下げて、GPUでアップスケーリングするのが主流ですので、ネイティブなフルHDではないのかなと思いますが、それでも携帯ゲーム機で120FPS出せるのはすごいかなと思います。

The Vergeでも同じようなレビューがあります。こちらはMSI Claw単機ですね。以下は意訳した引用です。

バトルフィールド6、バルダーズ・ゲート3、Cyberpunk 2077、レッドデッドリデンプション2、Returnal、Forza Horizon 6 といったゲームを、1080p・高設定・60fps でプレイ可能です。

ただし、これは 2倍のアップスケーリングを使った場合です。つまり実際の描画解像度は 960×540 ということになります。

言い換えると540p→アップスケール1080pで最近のAAAタイトルを60FPSで動かせると言うことですね。

意外とアップスケーリングは綺麗なので、特に携帯ゲームでは気にならないと思います。

まとめ

現時点でのIntel Arc Gは、かなり夢があるGPUという印象です。

Intelの公称どおりArc 140Vより44%高速だとすると、Time Spy上ではRTX 3050 Laptopより少し上、GTX 1660に少し届かないくらいの性能になりそうです。

統合GPUとして見ると現状で最高クラスです。

Windows CentralやThe Vergeの記事でも、アップスケーリング前提ながらフルHDで最新の3Dゲームを快適に遊べそうです。

結論としては、Arc GはRTX 3050 Laptop級に近い性能を狙える、かなり有望な統合GPUだと思います。

ハンドヘルド機だけでなく、ミニPCでの搭載も待ち遠しいです。


  1. 厳密にはGraphics Scoreなので、総合グラフィックススコアというべきでしょうが、今回は簡略化しています
  2. Core Ultra 7 258V / Arc 140Vの組み合わせでは最高と平均の差が少ないのと、他のGPUのスコアでは最高と平均の差が激しいため(Core Ultra… はCPU・GPUがセットなので差が出づらく、比較に使用するGPUはdGPUで最高・平均が乖離するため)