イラスト用のパソコンを買いたいとき、どのような点を重視して購入すれば良いのでしょうか。
意外にもその情報はあまり紹介されてないような気がしますが、基本はシンプルな点だけ抑えれば大丈夫です。
このブログではPCの中でもとりわけ「ミニPC」というジャンルに絞って、ご紹介します。
必要なPCのスペックは?
Part1. 公式の要件を見てみる
そもそも必要なPCのスペックとはどのようなもんでしょうか?日本で最も使われているであろうイラストアプリ、CLIP STUDIO PAINTで動作環境を確認しましょう。
……なんか分かりづらいので要約すると以下の感じ。
- OS:Windows 11
- メモリ:8GB以上推奨
実はこれだけで、他の要件に関しては(少なくとも書かれている限りは)気にしなくて良い……というか現代のPCにおいては満たしていないことがないというレベルです。
意外にも、CPUやGPUに関しては、特定のものを挙げて要求してはいないんですよね。
他に主要なイラストアプリの動作要件を見ていくと……
- krita:メモリ16GB推奨
- MediBang Paint:メモリ8GB
- IbisPaint:メモリ4GB以上推奨
- Photoshop:メモリ16GB以上、VRAM1.5GB以上1
いずれもCPUに関してはおおよそ現代PCであれば問題ない程度です。PhotoshopだけGPUについて少し記述がありましたが、これも現状、あまり気にしなくていいでしょう。
いずれのアプリも、すべて「スペックは良ければ良いほど良い……」という程度しか書いてありません。
Part2. で、結局どんなPCがいいんだろう
先ほど読んだ要件では、結局16GB以上が良いという程度しかわかりませんでした。もうちょっと深掘りしていきましょう。
まずPCの構成要素ですが、買う側として気にすべきは、大雑把に以下の4つです。()内はイラスト用、としてみたときの記載です。
- CPU:処理性能に直結(そこそこ要る)
- メモリ / RAM:すぐに処理できる量に直結(結構いる)
- GPU:3D処理などに必要(ゲームやらない限りそんなに要らない)
- ストレージ:120GBが最低ライン(250GBは欲しい)
CPUに関しては所謂ミッドエンド〜ハイエンド下位くらいが欲しいかなと思います。
イラストを拡大・縮小した時の処理速度なんかに関わってくると思います。
「最強のものがいいんじゃない?」と思うかもしれませんが、ここに関しては妥協が可能かなと思います。
メモリが一番重要です。16GB〜32GBが妥当かな〜という感じです。
レイヤーが多くなっていくのに対して、メモリの余裕があればあるほど重くなるのを防げます。
「え、推奨16GBって書いてあるけど、推奨ってメーカーの出す最低ラインくらいだから実際はもうちょっと多いほうがいいんじゃない?」と思う方もいるでしょうが、それに対する答えとしては
- 「それはそうなんだが、初心者なら一旦16GBに抑えていいと思う」
- 「というか2026年5月時点で、メモリが高騰しすぎてるのでいきなり32GBを揃えろというのはちょっとお財布に厳しい」
- 「メモリは唯一、ノートPCなどでも交換が容易いので後から交換・増設するという前提でいいかも?」
という感じです。もちろん、余裕があるなら32GBをお勧めします。
GPUに関しては、おそらく主要イラストソフトはあまりGPUを使用していないのでそんなに気にしなくていいと思います。
もちろん「ついでにゲームしたいんだけど…」という人もいるでしょうが「ゲームしたいならなるべく良いGPUとCPUを積んだPCを買ってください」というアンサーになってしまうので、今回の記事ではゲーム用途は考えないとします。キリがないので。
もちろん将来的にGPUを使う可能性はあるでしょうが、現時点でいずれもあまり活用していないので、ここでは除外します。GPUはあんまり気にしなくて良いです。
ストレージに関しては最低でも250GBをお勧めしておきます。120GBは「ブラウザでYouTubeを見るだけ」なら困らないでしょうが、ちょっとクリエイティブなことをするには少なすぎます。
多くても困ることはないでしょうが、持て余すこともあると思います。おすすめは250GBに加え、困ったら外付けストレージを買うことですね。パソコンのCドライブのみに保存し続けるのはちょっと怖いです2
Part3. まとめると
- CPU: そこそこ良いのが欲しい
- メモリ: 最低16GB、できれば32GB
- GPU: あまり気にしなくて良い
- ストレージ: 250GBは欲しい
という感じです。
ex. そのほかに気にするべきこと
一点だけあって、Type-Cによる映像出力に対応してると嬉しいなというのがあります。
イラストを描くとき、一般的には液タブと板タブの2択があると思います。

最近の液タブならType-C一本で接続が可能なことが多いからです。
液タブを使用するとき、PC側がType-Cでの映像出力に対応していない場合はHDMIとUSB-Aで接続することになります。ケーブルが2本必要なので、少しケーブルが煩わしくなります。
「いや、液タブよりも前にまずは板タブから……」という人でもいいことはあります。
- Type-Cで映像出力に対応しているということは、高速転送に対応しているということなので、外付けストレージとの転送速度も速い(保存したデータのやり取りにストレスが少ない)
- いい機種は基本的に対応しているので、購入に関してある種のバロメーターになる(Type-C製造出力に対応している→それなりに良いスペックをしている、という理解をしやすい)
という感じ。一定の価格を超えたらどれもType-C映像出力に対応しているので、ここを基準にみるのも良いでしょう。
で、おすすめは?
一つ目は、HP製のPro Mini 400 G9。ビジネス向けモデルの、Amazon製備品です。
Corei5 i5-13500T、メモリ16GBで8万円台。(CPUベンチマークである、Passmarkのスコアは22,456)
惜しむらくはType-Cで映像出力できない点ですね。
良いポイントは、老舗のHP製であること。ビジネスユースなので信頼性も高いです。整備品なのでメーカー保証はないですが、Amazonの整備保証が受けられます。
GMKTecから。セール時には7万円でした。
Ryzen 7 7730U(Passmarkスコア:17,345)と上記と比べると劣りますが、十分にミッドクラスです。
7万円台で32GBのメモリは魅力的です(メモリの規格が一世代前のDDR4であることは明記しておかなければなりませんが、実用上は特に問題ないです)
また、Type-Cでの映像出力もある点もさらにいいですね。
MinisforumのAI M1 Pro。最新の規格を詰め込んだ高性能モデルです。
Intel Core Ultra 5 125H(Passmarkスコア:20,335)、メモリ32GBで価格は12万円台。
価格自体は少し高めですが、各パーツの規格が新しいため、これからかなり長期間にわたって現役で使えます。
もちろんType-Cによる映像出力にも対応しています。初期投資は高くなりますが、性能に対するコスパは非常に良い一台です。
まとめ
イラスト用PCというと、なんとなく「高性能なゲーミングPCが必要なんじゃないか……?」と思ってしまいがちですが、実際にはそこまで極端な性能は必要ありません。
少なくとも2026年時点では、主要なイラストソフトは
- CPU:そこそこ良ければ十分
- GPU:あまり重要ではない
- メモリ:かなり重要
- ストレージ:最低250GBは欲しい
という傾向が強めです。
特に重要なのはメモリですね。16GBでも十分始められますが、快適性を重視するなら32GBあるとかなり安心です。
また、ミニPCは
- 省スペース
- 消費電力が低め
- 意外と高性能
- 据え置き用途に向いている
という特徴があり、「家でイラストを描く専用機」としてかなり相性が良いジャンルだと思います。
一方で、
- ノートPCみたいに持ち運べない
- 機種によってはType-C映像出力がない
- メモリ増設可否が機種ごとに違う(例えばLPDDR5Xなどの規格は交換不可)
あたりは事前に確認しておくと安心です。
そして最後に、一番大事なのは「最初から完璧を目指しすぎない」ことかなと思います。
最初の一台でいきなり全部盛りのハイエンド機を買わなくても、今のミニPCは普通にかなり快適です。
まずは
- メモリ16GB以上
- SSD 250GB以上
- CPUがそこそこ新しい
この3つくらいを満たしていれば、十分イラスト制作を始められると思います。
実際、イラストは「PCスペックだけ」で上手くなるわけではないので、まずは描き始めることのほうがずっと大事です。

